BTTF 似非(えせ)プロップ

『BACK TO THE FUTURE』の撮影に使われたプロップ(小道具)の元になった市販品を探してみよう
(もちろんこのコーナーの頂点に君臨するのはDMC-12…いわゆるデロリアンだろうね……まぁいつかきっと)
California Clock Company "Kit-Cat Klock"
 1作目冒頭のドクの研究室内シーンに登場。
大きさ: 9.5(幅) x 38.5(高さ)cm
意外と小さいなという印象。
単2電池2本使用。
目としっぽが左右に動く。
現在も新品が購入可能。
斜めからの画像外箱の画像
(2004-05-14 初稿 /2016-02-27 修正)
AIWA CassetteBoy HS-P7 … ステレオカセットプレイヤー
 1作目冒頭の登校シーン〜中盤まで頻繁に登場し、ストーリー上でも重要(?)な役割を担っている。
本体寸法: 80(幅) x 110(高さ) x 23.8(厚さ)mm
最大外形寸法: 81.7(幅) x 113.5(高さ) x 24.7(厚さ)mm
重量: 275g(電池含む)
裏側の画像
(2003-03-02)

Panasonic RC-6015

(image)Panasonic RC-6015
Panasonic(松下電器)製のFM/AMラジオ付き目覚まし時計で、1作目のマーティの部屋に置いてあります。アップのシーンも有るので、ファンにはもうおなじみの時計ではないでしょうか。

今では液晶に取って代わられてしまい、こういったタイプの時計(フリップクロックというらしいです)は珍しくなってしまいましたが、この映画の舞台となった1980年代にはどこの家庭にもひとつは有ったのではないでしょうか。実際、私の家にもこれと似たような時計が有りました。

この時計はアメリカで売られていたものをeBayで入手したので120V 60Hzで正常に動作しますが、日本の家庭用電源(100V 50Hz/60Hz)でも動かす事はできます。ただし、電源周波数が50Hzの地域(Wikipedia 商用電源周波数)では1分進むのに72秒かかってしまいます。そういった地域では周波数変換器をはさむなど対策をしない限りは事実上使用不能でしょう。FMラジオの受信可能周波数もアメリカ仕様なので88MHz ~ 108MHzとなっていて76MHz ~ 88MHzの局は受信できません。
目覚まし機能としてラジオとアラーム音を鳴らす事ができますが、この個体のアラーム音は「ブーーン」というラジオのチューニングがずれたような音がします。これが正しいのかどうかは今のところ不明です。
古いものなので、入手した時から時計の文字盤を照らす照明が切れていました。12V 50mA 直径5mm 長さ12mm の電球(麦球)が適合します。私は本体を分解する前になんとなくで直径3mmの麦球を注文してしまい、しかたなくそれを使って修理しました。常時点灯なので小さな麦球ではすぐに切れてしまうでしょうから、思い切ってLEDに換装してしまう方がいいと思います。
(2005-09-15 初稿 /2016-08-06 改稿)
Victor VIDEO MOVIE GR-C1 … 世界初のカメラ一体型VHSビデオムービー
 劇中で使用されているのは同製品の海外仕様で、VictorがJVC(Victorの海外向けブランド名)に置き換わっている。
 1作目のTWIN PINES MALLの駐車場〜中盤まで頻繁に登場し、ストーリー上でも重要な役割を担っている。
別角度からの画像1 別角度からの画像2 別角度からの画像3
(2001-12-21)
Futaba FP-T8SGA-P … ラジコン飛行機用プロポ
 1作目のTWIN PINES MALLの駐車場で、アインシュタインが乗ったデロリアンを遠隔操作するシーンに使われていた。劇中では速度計等のパーツが追加されている。
 本物を手にして初めてわかったのだが、劇中のプロポは電源が入っていなかったりする。
(2001-11-19 初稿 /2005-05-30 修正)
Erlewine Guitars CHIQUITA TRAVEL GUITAR … ミニギター
 1作目冒頭のシーンに登場。
 小さなギターアンプが付属している。
(2001-08-07 初稿 /2003-03-22 修正)
KRUPS "COFFINA" COFFEE GRINDER … コーヒー豆挽き機 タイプ223
 KRUPSはドイツにある会社。
 実際にMR.FUSIONとして映画に使われたのはこれとは別のタイプ223-Aらしいのだが、見た目の違いはほとんど無い。
 Mr.FUSIONは元の製品をうまく流用して…ていうか、そのまんま。単体でも未来的で完成されたデザインだという事か。
側面1
側面2
側面3
側面4
コーヒー豆投入口
コーヒー粉末排出口
コーヒー粉末受け容器1
コーヒー粉末受け容器2
タイマーときめ調整ノブ
製品表記
(2002-03-13)
NIKE BRUIN LEATHER WHITE/RED
 マーティが1985年時に履いていた靴(以下マーティシューズ)を覚えているだろうか?
 白地に赤のスウォッシュ…メーカー名はNIKE(ナイキ)というのは劇中でも触れられているので誰でも知っていると思うが、さすがにモデル名までは語られる事は無かった。
 いろいろ探してみた結果、Bruin(ブルイン) Leatherの白/赤…それも82年〜84年製が有力という結論に達した。

 早速条件に合うブルインを探しにネットの海をさまよったが、さすがに約20年前の靴ともなると良いコンディションのものは稀で、しかも白/赤はなかなかお目にかかれない。1994年に販売された復刻版(元にしたシューズの年代の違いか、マーティシューズとは違う部分が多い。)ですら入手は困難だ。
 それから苦節数ヶ月、ついに83年製の白/赤を手に入れた。
 実物を手にして細部まで念入りに調べた結果、これこそがマーティシューズの原型だと確信した。

アウトサイド トゥ インサイド ヒール ソール
つま先部アップ 製造年月日
(2002-01-26)
 Bruin Leather 白/赤 1982年製の未使用品を手に入れたので紹介しよう。
 1983年製との違いは、ヒールのNIKEロゴがいわゆる縦NIKEで、インソールが白じゃなくて水色。
 どちらも韓国製というのは一緒。

アウトサイド トゥ インサイド ヒール ソール
1982年製と1983年製の比較 製造年月日
(2002-03-08)
CONVERSE(コンバース) CANVAS ALL STAR … ハイカット 黒
 マーティが1955年時に履いていた靴のうちの一つ。あのスケートボードのシーンでおなじみ。
 あえてここで紹介するまでも無く、日本中のどこの靴屋でも簡単に見つかる(2002年3月現在の国内販売価格は5300円)超メジャーシューズだ。
 キャンバスオールスターは1917年に販売が開始されて以来、現在までその形をほとんど変えずに生産し続けられており、一作目撮影当時も現行商品として売られていたはずだ。画面では全く識別できない細部の違いの為にわざわざ1955年当時の靴を用意したとは考えにくい事から、撮影には1980年代製の物が使われたのではないだろうか。

アウトサイド トゥ インサイド ヒール ソール
(2002-03-26)
NIKE AIR PRESSURE
 マーティが2015年時に履いていた自動で靴紐が締まる靴の元になったと言われている。
 正直な感想としては「元になったと言われればそんな気がするが、全然別物なのでは…」といったところである。
 未使用品を手に入れたが、加水分解(ウレタン特有の劣化現象)が進んでおり、足首部分を中心に大きなひび割れが発生していて残念だ。

アウトサイド トゥ インサイド ヒール ソール
(2001-12-27 初稿 /2002-03-13 修正)

2016年1月14日に復刻版が発売された。
(2016-02-27)

CASIO CA-50

(Image)CASIO CA-50
 どうやらマーティウォッチはこれのようです。映像と見比べても同じ物のように見えます。
 新品を運よく入手できました。さすがに新品だけあって状態は非常に良いです。
ウレタンバンドは経年劣化しやすいのでおそらく交換されていると思いますが、どこかで見かけた未開封品のCA-50の画像と同じ物が付いていたので、元のものと同じ型の部品が使われていると思われます。
モジュールは437で下のCA-53Wと同じ物です。防水では有りません。
(2016-03-16)

CASIO CA-53W-1

(Image)CASIO CA-53W-1
 この時計は今でも普通に手に入ります。
Part II、IIIでマーティがはめている時計はこれかもしれません。少なくとも、バンドにCA-53Wのとそっくりな穴が開いているのが映像で確認できます。
ここでこの時計を紹介しだした当初、CASIOの製品紹介ページに書かれていたRelease date を信用して1992年発売と思い込んでいましたが、1989年のクリスマスギフトのカタログの画像の中にCA-53Wが掲載されていたので、それは間違いだとわかりました。Casio Digital Watches.comというサイトの情報によると販売開始年月が1987年6月との事です。
発売時期によってModule No.(裏蓋の刻印の四角で囲われた数字)に違いが有ります。古いのが437、新しいのが3208で、オートカレンダー(年月日で曜日が勝手に合う)の対応期間に違いが有ります。437は1980年1月1日~2079年12月31日まで、3208は2000年1月1日~2099年12月31日までです。それ以外はおそらく同じだと思います。
(2001-12-05 初稿 /2003-03-02 修正 /2016-03-16 改稿 /2016-09-09 改稿)

Radio Shack Archer Space Patrol Walkie-Talkies Model No. 60-4014

(Image)Walkie-Talkies 60-4014
 未開封品を入手しました。右上のラベルの16.95は当時の値段でしょうか。
 未開封品という事でパッケージの外側からしか状態を確認できませんが、パッケージの状態が比較的良いので大切に保管されていた物と推測できます。
Part II中盤から物語の最後まで活躍するアイテムで登場するどのシーンも印象的ですが、マーティがパッケージの横から開封して無造作に一つ取り出すシーンではこのパッケージがはっきり映るので多くの人の目に焼き付いているのではないでしょうか。せっかくパッケージ付きを手に入れたのですからいつかは同じようにやってみたいものです。

これとよく似た製品でModel No. 60-4004というものが有りますが、スピーカー部分の溝の数が60-4014の12本に比べて10本と少ない、PTTボタン(側面のオレンジのボタン)が小さいなどの違いが有ります。少し離れると見分けが付かなくなるほどの細かな違いですが、「劇中で使われていたものと同じモデルです」などといって売られていたりするので間違って買ってしまわないように注意してください。
(2016-03-29)